扁桃腺が引き起こす病巣扁桃の症状
扁桃腺といえば、免疫作用と関係の深い器官であることをご存知でしょう。
体内に病原体である細菌やウィルスが浸入した時に、これに対する免疫を作る働きをしています。
このため病院などに診察にいったときにこの扁桃腺の腫れ具合を診察されることがよくあります。また体調が悪い時にこの扁桃腺あたりに痛みを感じる場合もあるでしょう。
つまり病気と扁桃腺の腫れは密接に関係しているといえるのです。
しかしながら病巣扁桃においては、この限りではありません。というのも、扁桃腺が原因となっていながらも、それ自体に腫れや痛みがみられる場合は少なく、扁桃腺からは遠く離れた、何ら関係のなさそうな他の器官に対して異常をきたすからです。
たとえば、腎臓、皮膚、心筋、関節といったものがその代表ともいえるでしょう。
代表的な症状としては、皮膚にあらわれる掌蹠膿疱症、男性に多い慢性腎炎の一つであるIgA腎症、慢性関節リウマチなどがあげられます。
これらはいずれも原因不明の症状であるとされる場合が多かったのですが、この病巣扁桃が原因となっているということが解明されつつあります。
症状がおきる原因としては、扁桃腺に慢性的な炎症がおきることによって扁桃上皮が変質し、それに対しての抗体製造を始めてしまうことにあるといわれています。
つまり変質した扁桃上皮を病原体であるという誤った認識をし、それらを排除するために体内で免疫が作られることによって、それに似た細胞がある腎臓・皮膚・心筋・関節などの一部を攻撃しだしてしまうのです。これによって上記のような症状が起きてしまいます。この対処方法としては扁桃腺を摘出するという処置が多く行われます。
昔にくらべると扁桃摘出手術を行うとその後の免疫作用に支障があるのではないかという心配ももたれるようになっていますが、摘出後は病巣扁桃による症状の7~8割が改善されるといいます。
ただし摘出だけで回復することは難しいので、症状に対処する治療も並行して行われることとなります。
扁桃腺摘出手術体験と、切らない治療法
以下の体験談では、扁桃炎を繰り返し摘出手術を行った親子のお話と、手術せずに慢性扁桃炎する方法を紹介しています。
あなたの症状と照らしあわせて、参考になさってください。
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